シャーロット俳句勉強会―4月度作品抄

シャーロット俳句会から2017年4月の作品をご紹介します。

(*)今月の一句

お帰りとカサブランカや母のこゑ      美幸

今月は雑詠に兼題一句を入れ、春から初夏の花を選びました。藤、薊などが詠まれてますが百合も対象の花です。カサブランカとは意外でしたが、れっきとした百合の仲間です。世界に分布する百合ですが、実は日本はユリ王国なのです。今月、美幸さんは急遽一時帰国されました。我が家に着くと決まってお母さんのお帰りと言う声、でも今回は花の季節、百合の中でもひときわ香りの高い純白の大輪カサブランカが庭先で母より先に迎えてくれました。そして奥から母の声、懐かしい我が家へ着いた瞬間の一句です。

すみれ咲く野に転びれば幼き日      中藤

昇る日に力もらひて春の野辺       中藤

春雷の枝散らばせて朝かな        中藤

百合ひらく庭に灯ともるごと       千恵

花冷や肩をすぼめる帰り道        千恵

父に会ふ花の夢路か母の息        千恵

お帰りとカサブランカや母のこゑ     美幸(*)

蕨餅供へる笑みを想ひつつ        美幸

朝桜毛布抱への場所選び         美幸

藤の下揺れる花房我が髪も        淳子

大木の鳥みな抱き春の夢         淳子

うとうとと猫丸まりて春の午後      淳子

鳥の恋やはり陽だまり選びをり      敬子

「さくらさく」祖母に告げたる花の雨   敬子

友に会ふ心弾ます野の薊         敬子

摘みたての土筆を分ける友のゐて     精孝

藤の下傘寿の歌ふ声の艶         精孝

幾たびも制服見せに新入生        精孝

粛々とこの世にありて菫草        きなこ

猫の背の丸く動かず花ぐもり       きなこ

観戦の一喜一憂四月馬鹿         きなこ

陽の落ちて辺りを照らす白つつじ     イサ子

風運ぶ窓と言ふ窓杉の花         イサ子

雨止みて菫の花の水しずく        イサ子

春眠し父に食べさす手のしびれ       由美

車椅子父の頭に藤ひらり          由美

父の待つ施設への道桜まじ         由美

藤棚の下で弁当輪になりて         かずみ

はにかんで二人乗りした桜坂        かずみ

まどろみの中でまどろむ春霞        かずみ

山笑ふますます高き靴の音         みどり

水温む湖にこんもりと鯉の群        みどり

花冷や風運びくる村祭り          みどり

花水木神との対話したくなり        桜子

花冷や残り5分咲くお国ばな        桜子

鉄線花花道人生我もまた          桜子

村朽ちて野仏まもる鬼薊          一広

梅香る雲竜型の右手の先          一広

呼べばすぐ寄りくる犬のゐて日永      一広

☆俳句はちょっと難しそうで自分には無理だろうな〜…..と思っていらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。まずは興味をもつことから始まります。『俳句を詠んでみたいな』と思った方は、お気軽にご相談ください。

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