シャーロット俳句会 ~2016年6月作品集〜Charlotte, North Carolina

☆Charlotte Haiku Group (Japanese poetry) June, 2016 report☆

シャーロット俳句勉強会〜6月度作品抄のご紹介です。

海外会員の作品

今宵また月下美人の咲きすさぶ     千恵

風の音女神のゐてや月下美人      千恵

美しきなる月下美人よ夜もすがら    千恵

山寺や万の紫陽花待つと言ふ      美幸

短夜や明るき窓の台所         美幸

日日草友へ知らせの長電話       美幸

竜舌蘭夏空のもと輝けり        淳子

父母と渡る橋にも青葉波        淳子

緑陰に集まりし鯉背の眩し       淳子  (*)

短夜やラジオにせかれ野良仕事     精孝

間に合ひし修学旅行は夏の服      精孝

桑の実に汚れしままに日もすがら    精孝

 

シャーロット会員の作品抄

万緑や燐家に客のある気配       きなこ

摩天楼背にする夏の旅寝かな      きなこ

若葉して和にあることのやさしさよ    きなこ

炎中の待合室の夢うつつ         イサ子

亀渡る車は列を作りけり         イサ子

海渡り形くづれし籠まくら        イサ子

鶏の声に目覚めの夏の島         由美

はじく汗「老人と海」重なりて      由美

桟橋の人々包む大西日          由美

蛇皮を抜けるに似せて再渡航       かずみ

あご髭を落し軽やか衣更         かずみ

紫陽花の色それぞれの自己主張      かずみ

西瓜食む祖母の笑顔をふと思ふ      みどり

闇の中蛍の浮かぶ裏通り         みどり

空蝉の鳴き声失せしたなごころ      みどり

七変化遺影は何も言わぬまま       桜子

駆ける子を汗ごと掴む火食時       一広

思ひ出はふせたるままの夏帽子      一広

きらきらと汗の顔なる球児去る      一広

*今月の一句

緑陰に集まりし鯉背の眩し   淳子

暑い日が続きます。バスを待つ人も通りすがりの人もわずかな時間でもと木陰を求めて集まります。公園内の池には大きな鯉もいる様で餌撒き箱もあるのでしょう。人の集まりに餌を期待する鯉たちがやって参ります。公園の木々が風に揺れ湖面に木漏れ日を落とします。その光を鯉の背びれに注目して詠む集中力が見事な写生句を生みました。

 

俳句は難しくて自分には無理!と思っていらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。まずは興味をもつことから…俳句を詠んでみたいな、と思った方はぜひお気軽にご相談ください。

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